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3月30日(火)は、スペインにお住まいになって4年の中村 美和さんです!

日本ではあまり馴染みありませんが、欧米などキリスト教圏では春になると 「イースター」のお祭りがあり、この時期の観光地はたくさんの観光客で賑わいます。このイースターはキリストの復活祭のことで、実はキリスト教圏ではクリスマス と並んで要な伝統行事なのです。


カトリック教徒が80%以上を占めるスペインでは、この復活祭の意味合いや宗教色がもっと深くなります。実際には、復活祭そのものよりも、それに先立つ1週間、つまりキリストの復活に至るまでの受難や死を含めた聖週間が最も重要になります。この聖週間のことをスペイン語で「セマナ・サンタ」と言い、の期間中はスペイン全国の町や村で行事が行われます。


このセマナサンタの日程は毎年固定ではなく、「春分の日から数え、最初の満月の次の日曜日」がキリストが復活した日とされ、その1週間前の日曜日からセマナ・サンタは始まります。何だかややこしいですが、毎年大体3月末から4月下旬頃にあたり、今年は復活祭が4月4日なので、セマナ・サンタは3月28日からの一週間となります。


この28日からの一週間で、エルサレム入城から処刑、復活にいたるイエス・キリストの一週間になぞらえたさまざまな行事が行われます。中でももっとも重要なものは、プロセシオンと呼ばれるもので、各教会のキリスト像、マリア像が乗ったお神輿のようなものを担いで運ぶ大掛かりな行列です。この神輿は大きいものだと、何と1.5~2tにもなり、車輪はついていないので、数十人の男たちが肩にかつぎ、摺り足で静々と大聖堂まで運びます。以前、カセレスという街にあるセマナサンタ博物館を訪れた機会があり、そこには、そのパソを擬似的に体験できる小さな装置があって私も担いでみたことがあるのですが、肩にずっしりと食い込む重さでした。これに耐えて長時間歩き続けることで、キリストの受難を自分のものとして受け入れるという側面もあるように感じました。


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そして日本人には少し不気味な、でも忘れない強烈な印象を与えるのがナサレノ やペニテンテと呼ばれる巡礼者です。パソを先導する役目の人たちで、トゥニカと呼ばれる衣装を身にまとっています。イメージとしてはハリーポッターの世界に近いかも知れませんが、高くとんがった三角帽子をかぶり、目の部分だけ空いていて、その下は全身を覆い地面に着くかと思うほどの長い衣装に縄の腰ひもをつけています。香炉や旗などを持っていますが、衣装のデザイン、色、紋章などは全て教区ごとに決まっています。


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こういったプロセシオンは、セマナサンタの期間中、スペインの各都市で見るこ とが出来ます。明るく開放的なスペインとはまた違った、荘厳なキリスト教国としてスペインを 垣間見ることができるでしょう。


☆役に立つ一言


スペインの復活祭は、かなり宗教色が強い重々しい感じで、あまり「ハッピーイースター」のような言葉は聞いたことないですが....あえて言うなら、"Que tengas una feliz pascua"ハッピーな復活祭をお過ごしください。くらいでしょうか。


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