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3月17日(水)は、ブルガリア ソフィア在住のフラワーレポーター、イリヤナ・ゲオルギエヴァ・コストヴァさんからの報告です!

レポーターのイリヤナ・ゲオルギエヴァ・コストヴァさんは、ブルガリア在住15年。観光コーディネーターで、日本語での観光ガイド及び通訳をされています。
  
★ブルガリアのバラはどうして有名?
    
⇒世界中ではローズのオイルを生産する国がいくつかあります。その中にブルガリア産のローズオイルが質の一番良いローズオイルとされています。ですからブルガリア産のローズオイルの資源となるバラの種類―「Rosa Damascena ダマスク・ローズ」のおかげで、ブルガリアがバラの国として有名になりました。
  

★ブルガリアで、バラが国花といわれる経緯・背景について教えてください。 
   
⇒ブルガリアでは四季がありまして、暖かくなりますと様々な花とハーブが咲き始めます。一番早く現れるのはマツユキソウ(雪の花)です。4月になりますと多くの畑が菜の花の黄緑で目立ちます。5月中旬から6月中旬までころにローズオイルを取れるダマスク・ローズが咲く時期です。緑の茎と葉っぱとピンク色の花の色がバラの谷に行けば楽しめます。ダマスク・ローズが咲き終わりますとラベンダの紫の畑が目に付くようになります。7月ごろにヒマワリが咲く時期なので、平原の道を通るとどこ見ても黄色の花が見えます。このようにブルガリアでは季節が変わりますと色々な花を楽しむことができます。
    
しかし、その中では大昔からこの土地ではバラの花が存在しています。
     
ローズオイル採取のためのバラの栽培は、エジプトとインドで始められたという伝説があります。古代のRoma歴史家であったGai プリニイは, 著書「自然史」の中で、原産地別に12 種類のバラの名を記載しました。その一つがトラキア・ローズと呼ばれるバラであったこと、また、 ブルガリアのヒサリヤ市近郊の墓地に残る壁画からも、 1~4世紀のトラキアでバラの栽培が行われていたことがうかがわれます。
     
ローズオイルを取れるバラの書類が17世紀ごろにトルコ人によってブルガリアに運ばれました。当時ブルガリアはオスマントルコ支配下にいました。ダマスク・ローズの栽培が南ブルガリアで広がってきて、バラの花びらから抽出されたローズオイルが外国で輸出することになりました。(フランス・オーストリアなど)そのように海外でブルガリアのことはバラと例えるようになりました。ローズオイル専用のダマスク・ローズ以外にブルガリアでは様々なバラの種類もあります。ブルガリア人はバラを大好きで、よく女性の日(3月8日)やお誕生日祝い、パーティーなどの機会に女性にあげる習慣があります。
    
ブルガリアは、愛知万博に参加するための準備として、2004年に国のシンボルをバラにしました。
    
このように古代からブルガリアの地域に存在するバラが多くの人々に愛され、ブルガリアの国花とも言われます。
  
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★ブルガリアの人々のバラの楽しみ方、ブルガリアのバラの特長 
    
⇒ブルガリア人はバラの花束をプレゼントしたり、自分のアパートの中やお庭にバラを植えたりします。しかしその時のバラはダマスク・ローズと違うバラの種類です。なぜかと言うとダマスク・ローズにいくつか特徴があり、栽培できる地域が限れています。
     
一番適切な気候は雨の多い春、暖かい冬、砂が多い土です。この条件に当たる地域は、「バラの谷」として呼ばれる南ブルガリアにある、バルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈の間に挟まれている谷です。バラの谷の総面積は約2000平方キロで、平均海抜は350m、バラの谷を囲む山脈によって冷たい風がさえぎられます。そのため冬が穏やかな地中海性気候が特徴で、年間平均気温は10度です。毎年5月20日から6月20日までの約1ヶ月間続くバラ摘みの時期です。
     
摘んだばかりのバラの花びらには0.03~0.06%のエーテルのローズオイルと300以上の成分が含まれています。化学的な方法で同じような成分のローズオイルを作ることは不可能です。バラの花は治りにくい傷、胃や腸の異常、歯茎炎症、扁桃炎に効果があります。ローズオイルは抗菌効果、抗アレルギー効果、便通をよくする効果があります。胆管の病気や気管支炎、ストレスや不眠症にも効果があります。漢方ではアンチエイジングの高貴薬とされています。
    
現在、世界の高級香水の80%以上にブルガリアのローズオイルがブレンドされ、水蒸気蒸留のローズオイル生産で世界一になっています。1リットルのローズオイルを抽出するには3500キロのバラの花びらが必要です。また、高品質のローズオイルを抽出するには、バラの花が新鮮な上、咲ききっていない形が望ましいとされます。その状態でバラのアロマと湿気が最大限に保たれます。バラは手だけで摘み、日の出の前から始まり10時ごろまで続きます。バラの花だけを摘もうとしてもトゲに刺されることが多いのでバラ摘みは大変な仕事です。一日の平均バラ摘み量は約20キロが限度です。
     
このようにローズオイル抽出するには大変な苦労があるため、ブルガリアではローズオイルを「液体の金」と呼ばれています。
    
バラの谷に住んでいる人々はバラの花びらからジャムを作っています。そして、ブルガリアの伝統的な蒸留酒「ラキヤ」にバラの花びらを加え、バラの香りのラキヤもこの地域の特産です。
   
ダマスク・ローズが咲く時期にバラの谷で様々な村や町にバラ祭りが行われています。ブルガリアの民謡と伝統的な舞踊を楽しみながら、バラの畑に入り、自分でピンク色の花びらを摘めます。摘んだ花びらを乾燥すれば、自家製のポプリが出来ます!
   
最近バラ祭りが日本にも知られるようになり、日本人の観光客に賑わっています。
    
しかし、ブルガリアヨーグルトとバラ祭りは日本で有名ですが、ヨーグルト祭りはブルガリアに7月ごろあることはあまり日本で知られていないです。
    
しかし、バラとローズオイルより日本で有名なのはブルガリアヨーグルトですが、7月にブルガリアで行われるヨーグルト祭りのことはあまり知られていません。ヨーグルト祭りでは様々な自家製のヨーグルトやヨーグルトを利用した料理を試食ができます。
    
★古くからオイルとして使われているバラですが、おすすめのバラを使った美容アイテムは?

⇒ブルガリアでは、ローズウォーターとローズオイルが化粧品の中に使用されています。
例えば、バラの香水やバラのしわ取りクリーム、ハンドクリーム、石鹸、入浴剤、シャンプー、コンディショナー、ボディーローションなどがあります。ローズウォーターそのまま化粧水として使われています。そしてダマスク・ローズは殺菌性があるため、虫に刺された時や皮膚が腫れた時にもローズウォーター使用されています。
  
~ブルガリアの花アルバム~
↓ラヴェンダー
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↓ヒマワリ
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↓ソフィアの大統領府のガードマンたちの交代(夏の制服)
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♪役に立つ一言♪
Благодаря ブラゴダリャ
(ありがとうという意味です。)