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11月19日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です!

ヤンキース騒ぎの数週間で、気がついたら紅葉もピークを過ぎ落ち葉の季節に。
そんな中クリスマス準備が着々と進んでいます。
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来週はTHANKS GIVING DAYというホリデー、
この休日が過ぎると、アメリカはホリデーシーズン。
クリスマス準備にまっしぐら。。。。
そのあたり、またレポートでお伝えしますが、
今年もそろそろ終わり。。。という気分がおしよせてきているニューヨーク。

それにしても今年も、日本からたくさんの人がニューヨークにやってきました。
以前からお伝えしていますが、日本ブームですからね、

スシなどの食に始まって、
アニメ、マンガ、そして音楽。。

日本のポップカルチャーがますます注目されてきている中、
今月は、私の大好きなアニメのクリエイターが、ニューヨークにやってきました。

アニメプロダクションと言えば、世界のスタジオジブリ。

でも、アメリカの通のアニメファンの間では、
このプロダクションの名前もかなり知られています。
PRODUCTION I.G.

ピンと来ない?
タランティーノ監督の「KILL BILL」といえば。。。?

今日はニューヨークから、ジャパニーズアニメ最前線。
ちょっとマニアックにお届けしたいと思います。

それにしてもとどまるところを知らない、日本のアニメブーム。
先日も、日本の鉄腕アトムのハリウッドリメーク、
「ASTRO BOY」の話題をお伝えしたばかりですが、

つい先日、ニューヨークではアトムではなく、
日本人が制作したオリジナルアニメ映画の上映会が開かれました。

そのアニメのタイトルは、
「OBLIVION ISLAND」日本語では「ホッタラケの島」
日本では今年8月公開された作品、見た方いらっしゃいますか?
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これを作ったのが、PRODUCTION I.G.というアニメプロダクション。

聞いた事ないかもしれないけど、
必ずあなたも一度はその作品を見ているはず。


たとえば、
タランティーノ監督のハリウッド映画、
「KILL BILL」この中にアニメシーンが出て来ますが、
これを制作したのがPRODUCTION I.G.

アニメシリーズとして有名なのは、GHOST IN THE SHELL
攻殻機動隊押井守監督の作品ですね。

この作品、アメリカのアニメファンの間では、
ジブリ作品や‘AKIRA、COWBOY BEBOPなどと並んで、クラシック扱いです。

特にハリウッド映画MATRIXシリーズの、
インスピレーションのもとになった事でも知られています。

そしてこの作品、スピルバーグ監督のプロデュースで、
LIVE ACTION 3Dムービーに、という話しもあります。

あとは、やはり今年日本で実写映画になった、
BLOOD THE LAST VAMPIRE
その続編、BLOOD PLUSは、今ちょうどGHOST IN THE SHELLとともに、
アメリカのテレビで放送されています。

ミヤザキ監督ほどの知名度はないし、
日本ではどちらかというと、数あるテレビアニメやゲームの裏方的存在。

でもアメリカでは、PRODUCTION IGのクオリティの高い映像世界は、
ファンとプロの間で高い評価を受けているだけでなく、
日本のアニメのこれからの世界進出の、
大きなキープレイヤーになると言われているんです。

だから、そんなPRODUCTION IGのオリジナル映画がニューヨークで見られる、
と聞いて、見に行ってきたばかりでなく、
監督の右腕としてトータルにアニメーションを手掛けた
若いキークリエーターにも、話を聞く事ができました。
 
「ホッタラケの島」というのは、
子供の頃大切にしていたおもちゃとかぬいぐるみでも、
大きくなればいつかどこかにほったらかし。。。
そんな“ほったらかし”にされた宝物を集めて作られた不思議な
“ほったらけの島”がある。
そこに迷い込んでしまった女子高生の冒険物語。

上映会の後、監督の右腕としてトータルにアニメーションを手掛けた
若いアニメディレクターにも、話を聞く事ができました。

塩谷直義(しおたに なおよし)さんです。
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アニメ業界の人は忙しいと聞いていましたが。

「昨日到着しました、で、明日帰ります」

そんな忙しい仕事の合間、初めての海外、そして中1日だけのニューヨーク。
自分のアニメを実際に目の前で、外国の人に見てもらうのは初めて、
と、とてもうれしそうでした。
そんな塩谷さんが、自分の作品をアメリカ人に見てもらいたいポイントとは。

「日本の女子高生の感じを、日本人の16才の女の子がアニメになった感じを、
見てもらいたいと思います。」

何か16才にこだわりが? (笑)
というのは、私はよくアメリカ人のアニメファンに聞かれるんです。
日本のマンガやアニメはなぜみんな主役が15才や16才なの?って。

「なるほど、やっぱり日本の思春期的な、大人にもなっていないし、
子どもにしちゃ子どもっぽくもない時期、すごくアンバランスな部分の
葛藤も含めて、ドラマとしても表現しやすいというか、
そのバランスの時が16才くらいの人が
多いんじゃないかな、って。お父さんきらいとかお母さんやだとか、
でも好き、みたいな、どっちなの、というようなのがのが、
きのう今日でぱっと変れる時期、というんですか。
その1日1日の大切さみたいな部分が、その後の人生に影響をうける時期の、
しかも最くらいの時期かなって思うんですよね。
ある程度それを過ぎると、目標が決まって、
進むべき道を自分で考えて行くんだと思うんですけど。
多分あと、見に来てくれる年代の一番多いのが、
同年代のくらいの子だったりもするんだと思うんですよね。
そうするとなんか、あるある、という友達的な感覚で
キャラクターに感情移入ができたりとか、いつも悩んでるけど、
俺もがんばらないと!とか、見る人との共通点もある、といところですね。

少年少女の成長する物語。。。
実は。。。こうした年代が主役のアニメ作品、
アメリカにはまずありません。

アトムの時にもお伝えしたかもしれません、
アメリカではアニメは、あくまで子供のもの。

でも、それもクオリティの高い日本のアニメ映画がどんどん入ってくる事で、
少しずつ変って行く可能性だってあります。

来年もこうしたジャパニーズポップカルチャーのイベント、
たくさん開催が予定されています。

そういう中でアメリカ人がどう変っていくのか、楽しみです。

佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers