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10月7日(水)は、イギリス・ロンドン在住のフラワーレポーター、若月美奈さんからの報告です!

若月美奈さんは、ロンドン在住21年。ファッションジャーナリストをなさっています。
        
★ロンドンコレクション★
今回は25周年ということもあり、いつにない盛り上がりを見せました。
具体的には、これまでミラノでショーを行っていたバーバリー・プローサムとプリングル・オブ・スコットランドという、英国の有力ブランドが25周年を記念してロンドンで発表したこと。加えて、マシュー・ウイリアムソンやジョナサン・サンダースという英国の新進ブランドで、やはりニューヨークで発表していたブランドがロンドンで見せました。
東京同様に、ロンドンコレクションもある程度ビジネスが大きくなるとより世界の有力ジャーナリストやバイヤーが集まるパリやミラノ、ニューヨークへと発表の場を移し、ロンドンは常に「新人の登竜門」となっています。それが今回は、老舗系有力ブランドから世界で活躍する新進ブランド、そしてクリストファー・ケインやルイーズ・ゴールディンなどの、今もっとも旬の若手や、さらにその次なる世代の新人たちまで、あらゆる規模の英国デザイナーブランドの最新コレクションが一同に見られ、まさに旬の英国ファッションの発表の場となりました。
それに伴い、通常ロンドンはスキップしてしまう世界の有力ジャーナリストやバイヤーも姿をみせました。具体的には、アメリカンヴォーグのアナ・ウィンター編集長など。
また、日本からもこれまでロンドンには来なかった新聞や雑誌の編集者が何人も来英しました。
  
初日朝には、ロンドンを代表する帽子デザイナーのスティーブン・ ジョーンズが選んだ若手帽子デザイナーのショーも開かれ、その場でボリス・ジョンソン・ロンドン市長による英国ファッションを支援するスピーチも行われました。
↓左から英国ファッション協議会会長のハロルド・ティルマン氏、ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏、帽子デザイナーのスティーブン・ジョーンズ氏、モデルであり英国ファッション協議会副会長のエリン・オコーナー氏
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ちなみにバーバリーは、今年はじめに新しい本社ビルに移転し、そのお披露目も、ロンドンでショーをしたもう1つの理由です。ショー終了後本社ビルでパーティーが開かれ、英国の人気バンド「クークス」のライブも行われました。
コレクション終了後、デザイナーのクリストファー・ベイリーのインタビューをその本社7階にある彼の部屋でしたのですが、コレクションのことはもちろん、ものすごくエコを考えた新本社のシステムの話は、とても興味深いものでした。
      
プリングルは、来春のキャンペーンモデルにスコットランド出身の女優、ディルダ・スウィントンを起用し、ショーが始まる前に、そのキャンペーンのショートフィルムも発表されました。
そして、私はティルダ・スウィントンのインタビューもしたのですが、ほんとうに、素敵な方でした。ノーメークなのに本当に奇麗!
ちなみに、デザイナーのクレア・ワイトケリーのインタビューもしましたが、彼女もなかなかの美人です。
           
今シーズンのもう1つのニュースは、メーン会場の移転です。
これまで、サウスケンジントンの自然史博物館の前庭に特設テント会場を設置していたのですが、今回からテムズ側沿いのサマセットハウスに移転しました。歴史的な建物であるサマセットハウスの中庭にファッションショー用のテントを設置し、展示会やプレゼンテーションはその周りの建物内で行われたのですが、設備はもちろん、オープンカフェなどもある非常に気持ちのいい会場で好評でした。
↓サマセットハウス
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また、最近従来のファッションショーの形式ではなく、モデルをつかったプレゼンテーション形式の新作発表が増えているのが世界的な傾向ですが、今回の新しい会場にはプレゼンテーションルームが設けられ、このところお休みしていて久しぶりに復活した人気ブランドのクレメンツ・リベイロやアディダス・バイ・ステラ・マッカートニーなどが新作を発表しました。
↓クレメンツ・リベイロのプレゼンテーション。20人のモデルが新作を着てずらりと登場。
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また、私的には、初日の夜に開催されたサラ・ブラウン首相夫人主催の、25周年記念レセプションでダウニングストリート10番地の首相官邸に招かれたのがとてもいい思い出になりました。
中で続いている11番地では、世界を代表するファッションショーフォトグラファーであるクリストファー・ムーア氏の写真による、ロンドンコレクション25周年の写真展も開催されました。
          
そして、今回のロンドンコレクションで発表された来春夏の新作ですが、ストーンカラーと呼ばれる淡いベージュや淡く透明感のあるピンク、イエロー、グリーンなど明るく優しい色に溢れると同時に、目立ったアイテムとしては90年代はじめのマドンナを思わせるようなブラトップやコルセットトップといった下着ルックが久しぶりにカムバックしました。でも、それらも淡く優しい色でまとめられていて、当時のような強さは感じられません。下着ルックに加え、ボディーコンシャスなドレスやショートパンツのような一見セクシーなアイテムが提案されていますが、濡れ髪のモデルがヌードメークで登場する、ナイーブでピュアな印象のスタイルが主流となりました。
↓注目の新進デザイナーの1人、ルイーズ・ゴールディンのショー
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★若月さんの会社HP★
http://www.parsnips-uk.com/