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7月9日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です!

ニューヨーク今日はもうパーフェクトな夏の1日でした。
タイムズスクエアのすぐそば、オフィス街のまん中にある緑のオアシス、
ブライアントパークには、
長—い昼休みをとるニューヨーカーでいっぱい。。

そんな中、ニューヨーカーの話題は、いま一度、マイケル・ジャクソン、

昨日ロサンゼルスで行われたメモリアル、追悼式には、
多くのニューヨーカーもクギづけ。

まず大統領など要人以外のお葬式がすべてのネットワークで
同時生放送されるというのは、前例がないのではないでしょうか? 

特にハーレム。。。アポロシアター近くに設置されたビッグスクリーン
オバマ大統領が当選した時にものすごい人が集まった場所ですが、
ここに今回も数百人が集まって、メモリアルを見ました。
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そして、けさの新聞は軒並み1面トップ、大幅に誌面を割いて報道しました。
その論調は、
何をおいてもとにかく感動的なセレモニーだったということがメインの論調です。
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特にCNNなどで繰り返し報道されているのは、
ハーレムを本拠地にする、公民権運動の活動家、
アル・シャープトン牧師のスピーチです。

「マイケル・ジャクソンがいなかったら、今のような世界はなかった。
タイガー・ウッズもいなかったし
オバマ大統領も生まれなかっただろう、という言葉。

これは、簡単に言っていますがすごい言葉で、
黒人、そしてアジア人も含めマイノリティを代表する
彼の存在の大きさを象徴するものとして、うけとめられています。

同時に、このメモリアルが日本も含め世界中の人が見た、という事も
繰り返し報道されていて、
彼がまさに世界を変えた、偉大な存在だった事を、
これまでにないほど、このメモリアルを通して、
一般の人だけでなく、メディア自身が強烈に実感した、ということが伝わって来ます。

しかし、あらゆるニュースで最も報道され、
新聞の1面トップを飾ったのは、
メモリアルの最後に、
マイケルのお嬢さんのパリスちゃんが泣きながら言った言葉。
「私が生まれた時からパパは最高のパパだった。」

多くの人の心を打ち、涙をさそったこのシーン。
マイケルは、世界を変えた偉大な存在だったのと同時に、
やっぱり一人の人間だった、という事を痛感した人も多かったと思います。
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ところで、マイケルが亡くなってから
マイケルを象徴する曲として繰り返しプレイされてきた曲があります、
タイトルは「MAN IN THE MIRROR」
I-TUNESのシングルチャートでも今5位になってます。

1988年のナンバーワンヒットなんですが、
「世界を変えたい、飢えに苦しんでいる子供たちを救いたい。
そのためには、鏡の中にいる自分から変えるんだ。」という
マイケルの決意の歌なんですね。

「変えるんだ」の部分に、どんどん容姿が変って行ったマイケルが
オーバーラップしてくるんです。

ビデオの中には戦争のシーンや犠牲になっている子供達などがフィーチャーされ、
リリースされた当時も大きな反響があった歌です。

そんなマイケルの追悼式を、ニューヨーカーはどう見たのでしょうか?
ランチタイムのブライアントパークでキャッチしたニューヨーカーは、
みんな口々に、パリスちゃんの最後の涙のスピーチが
最も感動的だった、思わずもらい泣きしてしまった、と言っていました。

ではこれから、マイケル・ジャクソンはどういう存在として、
人々の記憶に、そして歴史に残ると思いますか、という質問には、
言葉を濁す人も少なくありませんでした。

メモリアルは終わっても、
マイケルの亡くなった理由はまだ明らかになっていません。

一方で彼が鎮痛剤などの薬を乱用していたのでは、という疑惑が高まる一方です。

また、無罪判決は受けたものの、
彼が少年を性的に虐待していたのでは、という疑いも、
人々の心からは完全にぬぐい去られることはありません。

実は、オバマ大統領がこんな事を言っていました。

昨日はちょうどモスクワにいたオバマ大統領
こんなコメントが報道されました。

「マイケル・ジャクソンの残した素晴らしい業績と同じくらい、
彼の人生は悲劇的なものだった、
その悲劇を無視することはできないが、彼のベストの部分に目を向けたい。」

このグローバルな時代に、初めて本当の意味で世界の人と人とを結んだアーティスト、
それがマイケル・ジャクソンだったとしたら、

同時に、複雑にからみあう様々な問題の中でもがいている、
現代の私達の世界を象徴する存在、それがマイケル・ジャクソンだったのかもしれません。


佐藤めぐみ  
ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、
日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、
アメリカのJ-POPファンのためのイベント
「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminy