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6月4日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です!

ニューヨーク、本当に気持ちのいい夏の日が続いています。
今日の最高気温23度

みなさんニューヨークのタイムズスクエア、どんな場所かイメージ浮かびます?

ニックネームは世界の交差点。
大晦日のカウントダウンでも有名です。
大きなスクリーンの広告塔、高層ビル
文字通り世界中からの人と車でごったがえすタイムズスクエア
混雑状態から言うと、渋谷駅前を想像するといいかも?

ちょっとお天気がいいと、すぐ外に出たがるのがニューヨーカー
そんな私たちも、ちょっと昼休みにタイムズスクエアに行こう、
という人はこれまであまりいませんでした。

とにかく人と車でごった返していて、
どうしても行かなければならない時は、
人の間を縫って、車にぶつかりそうになりながら、
やっとの事で通過する、みたいな場所だったのです。

ところがつい先週、その様相が一変。
このタイムズスクエアの交差点の路上がビーチのようになっています。

タイムズスクエアは、セブンスアヴェニューとブロードウェイという、
二つのメインストリートが斜めに交差するエリアですが、
そのうちブロードウェイが全面通行止め、歩行者天国になったんです。

それもただのホコテンではありません。
およそ300メートルにわたって、広ーいブロードウェイに
イスとテーブルが並べられ、まさに、タイムズスクエア公園状態。
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観光客がコーヒーを飲みながら休憩したり、
近くで働く人がラップトップを広げたり、
思い思いの過ごし方をしています。

ちょっと彼らに話しかけてみました。

最初はスイスから観光に来ていたベアトリスさん、
このホコテンすごくいいわ、
イスがあって、音楽も聞けて、太陽もまぶしくてサイコーね。
ニューヨーク郊外のロングアイランドに住むカップルは、
昨日が結婚記念日だったので、今日はふたりでマンハッタンを楽しんでいるところ。
世界のすべてがここに凝縮しているようなところで、大好き。
しかも、タイムズスクエアの真ん中でこんなにゆっくりできるなんで、
大ファンになったよ。
大好評です。

このタイムズスクエアの歩行者天国、
正式の名称は、タイムズスクエアプラザ
今年初めての試みです。
そもそも、マンハッタンの交通地獄は常に大きな問題で、
特にこのエリアの大渋滞、そして歩行者の安全をどう確保するのか、
長い間の課題でした。
そこで、ブロードウェイを交通止めにしてしまうことで、
車の流れを大きく変えてみよう、とブルームバーグ市長が中心になって、
このホコテンが実現しました。

歩行者が歩きやすくなるだけでなく、
ブロードウェイ沿いのお店でも買い物がしやすくなったり、
時間の流れが前よりゆったりして、
私たちニューヨーカーにとっては、まるで別の場所に来てしまったような
錯覚に陥るほど。
このホコテン、この夏、そして秋まで行われ、
12月の時点で今後どうするかを決める、と発表されています。

ところで、もし20年前のタイムズスクエアを知っている人がもしいたら、
あの時代と今とは完全に別の場所です。
あの頃のタイムズスクエアといえば、もっとずっと汚くて、あやしい場所でした。
通り沿いのお店も、安っぽいおみやげや風俗のお店が主流でした。
それが90年代に、ニューヨーク市がディズニーの資本を誘致したのがきっかけで、
タイムズスクエアはメジャーなビジネス&エンタメの、ダイナミックな街に
生まれ変わったのです。
そして2009年、タイムズスクエアはますます進化を続けています。
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ところで、ここではすわるだけでなく、寝そべることもできるんです。
プラザの一角に、デッキチェアがずらり。
お天気がいいと空席ゼロです。
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シャツの胸をはだけて、思い切り日光浴モードの男性と、
その隣で読書を楽しんでいる女性に話しかけてみました。

スコットランドから来ているというカップルは、
奥さんのバースデーに、ニューヨーク旅行に来たそうです。
ここでちょっとのんびりしてから、空港に向かい、帰国するつもり、
まるでビーチにいるみたいで、気分がいいよ。と言っていました。
だんなさん、かなり日焼けしてました。

もう一組はフロリダからの女の子二人組。
彼等もフライトまでの時間つぶし。フロリダの太陽と海はないけれど、
高層ビルやミュージカルの看板を見ながらの日光浴も悪くないわ、
なんて言っていました。

そして、さすがニューヨークの歩行者天国
エンターテイメントもあるんです。
ホコテンの真ん中で演奏していた、パフォーマー、
ホーン中心のインストバンドで、その名もアンダーグラウンド・ホーン
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彼等、普段は地下鉄の構内で演奏する
市のオフィシャル・ストリート・ミュージシャン。
でもこのホコテンが出来てからは、
地上に出てきて演奏するようになりました。
太陽の下で、楽しんでいるお客さんの前で演奏するのは最高、
と、うれしそうに語ってくれました。

ダイナミックなビジネス街でありながら、
ゆっくり散歩したり、お茶を飲んだり、
日光浴や音楽まで楽しめる、かっこいい場所に生まれ変わったタイムズスクエア。

まさに、ニューヨークの未来の街づくりのプロトタイプが
ここにある、と言ってもいいでしょう。

あなたも世界の交差点のど真ん中で、
日焼けはいかがですか? 
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佐藤めぐみ
 
ジャーナリスト、プロデューサー
ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、
日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、
アメリカのJ-POPファンのためのイベント「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。
BLOG:http://ameblo.jp/meguminy