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4月16日(木)は、アメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です。

 
APRIL SHOWERS BRING MAY FLOWERS
という言い方があります。
4月の雨が、5月の花をもたらす。
 
イヤな事の後には、いい事が待っている。。。という意味もありますが、
この時期のニューヨークは雨ばかり…
 
ニューヨーク4月15日今日のお天気は。。曇り、
昼間雨もぱらつきましたが。。。今はもう地面もかわいています。
最高気温は9度、最低気温2度。
 
なかなか暖かくならない4月のニューヨークですが、
来週はもうアースデー、
 
アースデーのイベント。。。などは日本の方が盛んかもしれません。
でも、最初にアースデーが始まったのは、実はアメリカです。
1970年、西海岸のシアトルで、草の根運動として始まりました。
 
その20年後、1990年には世界141カ国に広がり、
リサイクル運動のきっかけを作り、
翌年の国連地球サミット
さらには1997年の京都議定書へとつながっていったんですね。
 
ニューヨークでは、ターミナル駅、グランドセントラルステーションで、
アースデーイベントが行なわれるようになって、今年で19年目。
フリーコンサートや、エコプロダクツのマーケットを通して、
草の根レベルで、ニューヨーカーにエコを呼びかけてきました。
 
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でも今年は、ちょっとだけ気分が違うのは、
アメリカに新しい大統領が誕生した事と、無関係ではありません。
 
ニューヨークのアースデーをひっぱてきた
エグゼクティブディレクター、パメラ・リッピさんはこう語ります。
 
「みなさんもご存知のように、
アメリカはアースデーの発祥の地にもかかわらず、
国レベルの環境対策では、他の先進国に立ち後れてきました。
でも、オバマ政権の誕生で、まったく事態が変ったんです。」
 
たとえば、二酸化炭素ガスの排出量の目標値は、
ブッシュ政権までは、2050年までに50%削減が目標でした。
しかし今やオバマ政権、2050年までに80%という削減目標。
これはヨーロッパ各国と並ぶ最も高い目標値です。
 
このおかげで、今経営問題に直面しているアメリカの自動車産業は、
経営以上の大変革を迫られているんです。
 
でも、ブッシュ政権時代から、
ニューヨーク市の環境対策は、国の先をいっていました。
 
たとえばブルームバーグ市長は、
PLANYCという総合的な環境対策を打ち出しています。
その一つが、ニューヨーク名物のタクシー、イエローキャブのハイブリッド化
2012年までに、1万3千台、すべてのイエローキャブをハイブリッドにする、
という野心的な目標です。
今のところハイブリッドは1600台。。。
でもハイブリッドカー、運転手さんたちには好評です。
「あれ、あなたの車ハイブリッドね?」と言うと、
「わかる?」とうれしそうです。
ニューヨークのイエローキャブの運転手さんは、車をオーナーからレンタルして
運転しています。
ハイブリッドだと、そのレンタルフィーは少し高いそうですが、
燃費がいいからガソリン代が安くなるし、
何より環境にやさしい、というのがうれしいみたいですね。
でもここだけの話、「みんな日本製のハイブリッドを運転したい」って言ってました。
 
ニューヨーク市のエコ対策、
もうひとつ、ブルームバーグ政権ががんばっているのが、
マンハッタンの中の、サイクリングロード建設。
 
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渋滞の車の間を、ジグザグに走るメッセンジャーの自転車、
あなたもきっと、映画やドラマで見た事がありますよね?
そんな危険な車道から、自転車を守り、
もっとたくさんの人に自転車に乗ってもらおう、と、
最近、自転車専用レーンが目立つようになってきました。
今や、タイムズスクエアの渋滞を尻目に、さーっと自転車でかけぬける事ができます。
おかげでニューヨークの自転車人口は今や100万人、
特に通勤に自転車を使う人は、ここ1年で3割も増えました。
 
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さて、最後に高層ビルが立ち並ぶマンハッタン、
ビルのエコはどうなっているんでしょうか?
 
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アメリカにはエコビルディングの基準値があります。
特に知られているのは、LEED基準で、
ニューヨークにも、このLEED基準に基づいたグリーンビルディングが、
少しずつ建設されています。
 
たとえば。。。以前もちょっと紹介したメッツの新スタジアムが、
グリーンビルディング。
タイムズスクエアのど真ん中、ナスダックの電光掲示板がまぶしいビルも
LEED基準に基づいています。
 
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建築資材からエネルギー効率まで、くわしい基準はまた別の機会にご紹介しますが、
そんな中で、とてもクリエイティブなグリ−ンビルディングもあります。
 
たとえば、ビル内に発電所を作り、発電と同時に出る熱を暖房に使うグリーンビルディング
夜間電力を利用して巨大な氷をつくり、昼間それを溶かして建物を冷やす、
グリーンビルディング。
 
24時間眠らない街、電力をいっぱい消費しているニューヨークですが、
ここ数年、みんながアパートの電球を省エネタイプにとりかえるようになりました。
典型的なニューヨーカー、私の家もついに先日、最後のレギュラー電球が切れて、
めでたく100%省エネ電球となりました。WE ARE TRYING TO BE GREENER!
 
佐藤めぐみ 
ジャーナリスト、プロデューサー
ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、
アメリカのJ-POPファンのためのイベント「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。
BLOG:http://ameblo.jp/meguminy